電子書籍ストア運営「BookLive」の売上6年間

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売上グラフ画像(booklive 2017年度)

8期目を迎えたBookLiveの決算これいかに

上のグラフで明らかだが、成長が鈍化、というよりほとんど前年に比べ成長していない。もう崖っぷちもいいところだ。100億超えのところは称賛に値するし、黒字を継続しているところも評価できる。だがしかし、この成長著しい電子書籍業界において、前年比120%成長していない企業など、正直、敗者に等しいのだ。hontoを思い出して欲しい。つい最近、docomoがその運営から降りたばかりだ。hontoの捗々しくない、その成績も前年を上回る成長を見せていなかった。つまり、何がいいたいかといえば、そろそろBookliveもどこかの軍門に下るか、はたまた事業の撤退か、そういうネガティブな決断を迫られることになりはしないかという心配が頭から離れないということだ。

FY17決算サマリー

  • 売上117億(前年:116億)
    • 成長率で言うと、わずか+0.9%
  • 売上総利益(粗利)49億(前年:50億)
  • 営業利益6.6億(前年:5億)

過去の売上を振り返ってみよう

上のグラフ2012年度から2017年度までの売上高をここに記して振り返ってみよう。

  • 売上
    • 2012年度:12億
    • 2013年度:68億
    • 2014年度:89億
    • 2015年度:112億
    • 2016年度:116億
    • 2017年度:117億

グラフを見てもらえれば一目瞭然なのだが、売上の伸長が2015年度で止まってしまっている。120%成長を続けているなら、今頃160億くらい行っていそうなものだ。

BookLiveの主要事業は「BookLive!」なのか?

ここで注意したいのは、上に挙げたのはあくまでBookLiveという一企業の決算公告にある損益計算書をもとにした分析だということだ。その企業の売上を作る、各事業がどういう内訳で構成されているかは、上場企業でない限りは開示されないだろう。普通は小さい企業ならば、その会社名が表す通り、主要事業一本だけということもあり得る。ところが、BookLiveは近年そうでもないのだ。皆さんも知っての通り、栗山千明がCMで出ている、「BookLiveコミック」というサービスがある。

CMを打つくらいだから、”筋”の良いサービスだと思われる。(電子書籍業界だと、TVCMを打つ段というのは、勝ちが見えている場合が多いためだ。めちゃコミック然り、Renta!然り)もし、何の勝算もないのに、マーケティング戦略にTVCMを使っているならそれこそ、BookLiveの凋落は近い内にやってくる。でも、そうでもないらしい、というのは業界ではよくきく話だ。

ここで、気になるのは古参の「BookLive!」で何故CMを打たないか、だ。すでに順風満帆で、新規ユーザーを取る必要がないということか?

ここで、私は一つの仮説を打ち立てたい。BookLiveの主要路線はBookLive!からBookLive!コミックに移っているのではないかという考えだ。その証拠にTVCMを挙げたい。普通、ITベンチャーが、TVCMを打つ場合、そんな余裕のあることはやってられない。よほど勝算がなければ、TVCMなんか打つための、社内や株主の承認もおりない。BookLiveは、既存事業の総合電子書店サービスBookLive!に見切りをつけて、コミック路線で調子の良かった子サービスに全力投球したのではないか。

そして、上記にあげてきた過去の売上推移を思い出して欲しい。鈍化したと伝えたが、それは細かくみると

  1. 既存の「BookLive!」の凋落が始まり、
  2. 新規の「BookLive!コミック」の売上増加に支えられ
  3. CM効果もあり、爆発的にコミック事業が伸びている

と考えれば、そんなに成長していない売上規模もなんとなく納得感がある。

上手く、既存から新規の事業にバトンを渡す

電子書籍という商材を扱いながら、この業界で生き残るために、うまくピボットして経営資源を集中し、選択しながら頑張っている節のあるBookLive。この調子で、是非、今期と来期は売上を120%成長し、我らがメディアドゥに飲み込まれないように頑張って欲しい。(もちろん、Amazonや楽天にも気をつけてね!)