書評

おすすめ電子書籍6 黒川博行『国境』

ご存知『疫病神シリーズ』 最近ヤクザ小説をよく読んでいる 心意気は完全に小市民な私だから、「ヤクザ」小説は読んでいてかなりの衝撃を受ける。そして、面白さからついつい、ページをめくる手が止まらない。(注:電子書籍でもめくれまっせ)真っ当な堅気であるからこそ、そういう読み物に惹かれるのだろうか。これ以上、この種の小説に傾倒すると、サイトの評価がそっち寄りにならないか心底心配である。別に極道を礼賛してい […]

おすすめ電子書籍 柚月裕子『孤狼の血』

ヤクザ小説は面白い 暴対法があまねく広まって久しい。賃貸のマンションを借りるときも、転職するときも、何かの契約をする際には、必ず反社会勢力とのつながりがないことを表明させられる。そして、万一、黒いつながりが発覚した折には、島田紳助の如く、社会的制裁を受けなくてはならない。黒い御仁たちには厳しい世の中になったものだ。ところが、世の中には黒い勢力と未だに切っても切れない関係の輩がいる。小説家である。ヤ […]

おすすめ電子書籍 畠山 重篤『牡蠣礼讃』

オイスター最高という人向け 海のミルク「牡蠣」 牡蠣を食べすぎて嘔吐下痢になったことがある。苦しみの最中は原因が牡蠣だと露知らず、奇病にかかったかと思い、不安に苛まれたものだ。それは悶絶するほどの苦しみだった。口からは嘔吐し、尻からは下痢を垂れ流す。深夜に家のトイレを占拠し、便器にしがみつきながら汚物を撒き散らす。いつ終わるとも知れない苦しみに、死すら希求してしまう。そんな心境だった。未明にかけて […]

おすすめ電子書籍 村田沙耶香『消滅世界』

ジュニアNISAと子育て ジュニアNISAなるものを本気で検討している。というのも、私自身がNISAを活用しており、その非課税メリットを存分に享受しているからだ。子供の分も同じように上手に運用する自信があるし、子供用の将来の資金を考えた際に非常に合理的な制度であると思っている。もちろんジュニアNISAには元本を割ってしまうというリスクも存在しているが、そんなことは百も承知であり、その点を十二分に留 […]

おすすめ電子書籍2 黒川博行『破門』

不逞の輩には気をつけよう 私はよく絡まれる 本屋で立ち読みしている時、街中を歩いている時、ゲームセンターを訪れた時など、その被害を挙げ出したら枚挙に暇がない。過去を振り返ってみると、その事例はもっと増える。多すぎて、もはや私自身覚えていない。現在に至るまで、幸いにして暴力を振るわれるなどで怪我を負ったことはないのだが、精神的にはとても疲れる。おかげでタフになったのかもしれないが、必要ない経験を積ん […]

おすすめ電子書籍 新田次郎『アラスカ物語』

「生肉文学」というジャンルをご存知か アラスカ物語を読んで、肉を喰らおう 何年か前に、レオナルド・ディカプリオがようやくアカデミー主演男優賞を受賞したとかで話題になった映画を覚えているだろうか。 レヴェナント 詳しい説明は上記リンクを参照されたいのだが、端的に言えば主人公のレオナルド・ディカプリオが瀕死の重傷を負いながらも、復讐を果たす物語だ。復讐の旅の途中、空腹に苛まれた主人公は、ネイティブ・ア […]

いや、これクソだろw バカミスの世界

くだらないけど、愛すべき読み物 騙されたと思って、手にとって欲しい イヤミスの女王と言えば、湊かなえとか真梨幸子が思いつく。読んだ後の何とも言えない、後味の悪さと嫌な感じが、病みつきになる小説を量産されている。ベストセラーになることも多く、映画化やドラマ化されて話題になることも多々ある。人気絶頂の、そんな「イヤミス」は今や文芸界の一大ジャンルと言っても過言ではない。ただ、忘れてはならないことがある […]

殺したら負け。最近の謀略スパイアクション

名作スパイアクション 殺人許可証なぞ存在しない! 犯罪がまかり通る世であってはならない。あまねく人々を貫く誠の真理ではなかろうか。しかし、それが通用してしまう困った世界がある。それは、スパイ映画の世界である。スパイは目立たぬように、国家や軍事上の最重要機密を、相手に悟らぬように盗みとることが任務の主たるところだが、破壊工作や暗殺も時として仕事になる。その面にフォーカスがあたり過ぎる嫌いがあるのは、 […]