ヤフーの軍門に下った「eBookJapan」の売上(FY16まで)
- 2017.10.23
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イーブックイニシアティブジャパンの売上・利益
ほとんど、利益が出ていない。この10年ほど。もちろん意図的かつ戦略的ではあるのだろうが。投資家もインカムゲインではなく、当然キャピタルゲイン狙いだろうし。売上もFY16に飛躍的にあがっているのは買収の成果である。(2016年5月、紙書籍オンライン販売のブークスを買収)電子書店単体の売上は下記で考察する。
FY16決算サマリー
- 売上:119億
- 粗利:43億
- 営業利益:0.1億
- 当期純利益:0.1億
イーブックイニシアティブジャパンの基礎情報
- 決算時期:毎年3月(Yahoo傘下以前は1月だった)
- 本社所在地:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-9 KDX御茶ノ水ビル7F
- 2011年10月東証マザーズに上場
- 2013年10月には東証一部に変更
- 2016年9月にヤフーの小会社となる
電子書籍の配信では大体64億を売り上げている
社名とサービス名が若干異なっており、ややこしい。いつか、統一されるんだろうか。
電子書店:eBookJapan
運営会社:イーブックイニシアティブジャパン
イーブックジャパンイニシアティブではないから、そこんとこよろしく。サービス名が話題にあがったので、そのeBookJapanの書店としての実力も考察しておきたい。電子書籍の配信では大体64億を売り上げている。つまり、そこから逆算すると
64億 ÷ 12ヶ月 = 5.3億/月
月商は5〜6億程度なのではないだろうか。年成長は+20%程度なので、今年度はもっと伸びていることだろう。
海外展開を目指していたことも
イーブックイニシアティブジャパンはかなり貪欲で、海外展開も視野に入れていた時期がある。FY15は積極的で、中国向けにFindJapan株式会社を子会社化したり、インドネシアに現地メディアと共同で電子書店「MangaMon」をオープンさせている。ところが、FY16になるとそれらの目新しいトピックは何もなく、代わりにFindJapan株式会社は株式譲渡がなされ、事実上、中国向けプロモーションは打ち切った形だ。(インドネシアの方はどうなっているのだろうか、情報が余り更新されていない。アピールすることがないところをみると、鳴かず飛ばずといったところか)
紙本のネット書店を買収したことも
上述したが、株式会社ブークスを買収し、紙本も取り扱いのある電子書店という位置づけになった。これはAmazonや楽天などと同じである。とどのつまり、そういったところとも引けを取らない勝負をeBookJapanは挑もうとしているのだ。
サービス名は「BOOKFAN by eBookJapan」になっている。
そして、Yahoo JAPANの傘下に
結局、海外展開をやめて(消極的になって)、戦略の方向転換をした理由が、このヤフーとの提携そして、小会社化だろう。ヤフーのリソースを使い、電子書籍事業に邁進していくことが、会社のメッセージとしても発せられている。経営基盤としてはこの上ないくらい心強いものとなったはずだ。
次の決算期も実に楽しみな電子書店である。
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