成長はどうか?eBookJapanの17年度決算
- 2018.04.28
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FY17の決算資料が4月25日に開示
利益体質に一気に改善
前期やそれ以前までは利益体質ではなかったのに、今回一気に利益が改善している。前年2016年度の営業利益が1,700万円なのに対し、今回2017年度は約15倍の2.54億だ。
- FY16 営業利益 0.17億(1,700万)
- FY17 営業利益 2.54億
やっと上場企業らしくなってきたという印象だ。売上も相当いいのかなと思ったが売上は15倍にはなっていなかった。ということは、つまり、主要事業の利益率が改善したというわけではなさそうだ。
売上は伸び悩んでいる
売上に注目すると、2016年度と2017年度はほぼ横並びだ。全く伸びていない。Yahooの傘下になったり、Yahooの電子書籍を受託して売上が伸びているにも関わらずだ。きっと減っている事業があるのだ。それは、どこか。決算資料から読み解くに、それはeBookJapan本体だ。既存の電子書籍ストアの売上が完全に伸び悩んでいると思われる。電子書籍配信事業の中には、電子書籍配信と電子書籍提供の2つがある。後者はYahooの電子書籍販売を受託した関係で売上が10億ほど伸長している。一方、電子書籍配信の方はと言えば、売上が59億と昨年の64億に比べ、5億ほどダウンした状態だった。
FY17決算サマリー
- 売上:118億(前年:119億)
- 粗利:40億(前年:43億)
- 営業利益:254億(前年:0.17億)
- 当期純利益:1.6億(前年:0.1億)
電子書籍の配信は59億しかない
電子書籍の配信では大体59億を売り上げている。つまり、eBookJapanのストア売上をそこから逆算すると
59億 ÷ 12ヶ月 = 4.9億/月
と、予想できる。月商が5億を割っている状況だ。去年の試算では5〜6億程度なのではと思っていたので、衰退の感は否めない。Yahoo!ブックストアの受託売上でどうにか売上を横ばいにしているが、本業中の本業が衰退傾向にあるのだから、結構やばそうだ。
老舗電子書店もとうとう伸びなくなったのか
年次成長+20%があたり前の電子書籍業界かと思いきや、eBookJapanは脱落しそうな勢いだ。老舗としてノウハウを持ち、電子書籍書店の先駆け的存在でもあるのに残念だ。
先日結成された日本電子書店連合にも名を連ねる、eBookJapan。ケータイ時代からの電子コミックの雄たちで結成された連合だが、その一角に早くも不穏な空気が立ち込めている。
2018年度はどうなる
2018年度は、売上135億、営業利益は3億を目指すという。本当に実現するんだろうか。YahooブックストアとeBookJapanを一つのサイトにしてしまえば、ユーザーにとっても嬉しいんじゃないかとか思ってしまった。YahooとかRentaとかeBookJapanとかめちゃコミックはもう一つの電子書籍ストアになってしまった方が、いちいちこうやって記事を書かなくてすむので、ありがたいのだが、関係者の方よろしくお願いします。
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