好調な講談社の売上16年分を見てみよう(2019年2月)

好調な講談社の売上16年分を見てみよう(2019年2月)

講談社

電子売上の比率が26%

売上構成比における電子の割合がついに25%を超えた。講談社の売上を支えていると言っても最早過言ではない。四分の一である。四分の一。

これ、ビッグニュースなんじゃないの笑

毎年5〜6%づつ電子割合が増えている講談社なので、来年は30%を超えてくるでしょう。いや、それ以上かもしれません。というのも、いわゆるキャズム理論というやつで、紙から電子に利用客が雪崩込んでくる可能性が高いからだ。

完全に私見だが、30%超えたら、もう50%なんてすぐだし、100%近くなるのも遠い未来じゃないと思われる。

私はかつて、ガラケービジネスをやっていたが、2012年当時でさえ、「スマホはビジネスとしては成り立たないね」とか経営者レベルの人でも平然と言い放っていた。ところが、わずか数年で逆転。今ではガラケービジネスの時の武勇伝など誰も聞いてくれないのだ。

こういうことが電子書籍にも起こると思う。数年前まで数%、そして20%に届かなかった電子割合が、今や、業界最大手の出版社である講談社で25%を超えたのだ。もう、目前だ。

電子書籍関連の株を買うなら今しかない。とりあえずまだの人はメディアドゥを買っておこう笑

話を元に戻そう。講談社の話である。

近年持ち直し傾向の売上

もともと文化事業とやらであまり採算を考えない体質の出版社。講談社もゴタブンにもれない。利益にこだわりがないのか、経営が下手なのかよくわからないが、その売上は下げ止まっている。2003年度からみると、13年連続で下降していた売上が2016年度からは回復の兆し見せている。(といっても横ばいにしか見えないのだが)

そしてとうとう、2018年度は1,200億円へと回復している。1,200億円に乗ったのは2013年度以来の快挙だ。(快挙なのか知らないけど)

V字とはもちろん言えないまでも回復の要因は、やはり電子の存在だろう。出版不況の中、電子書籍の存在があるからこそ、ここまで回復できたのだ。

ここからV字回復できるかが、最も大事なところなので、是非頑張ってもらいたい。

海賊版サイト閉鎖で伸びたって嘘だろ

去年も述べたのだが、海賊版サイトの存在によって、売上が下がったり、海賊版サイトの閉鎖によって売上が向上したりっていう言説はいかがなものかと思う。

講談社の売上推移を15年分見てみよう(2018年2月)

どういうことか、説明しよう。講談社を含め、出版業界の方はろくに経営分析もできないのが非常に悲しいが、これを読んで少しは冷静に数字と向き合ってもらいたい。

まず、去年。講談社の電子書籍の売上は前年比で+42%だったそうだ。この数字は低いそうで、「海賊版サイトのせいで」的な論調で説明されることが多い。

そして、今年。講談社の電子書籍の売上は前年比で+44%だそうだ。これは海賊版サイト閉鎖の影響(好影響)も働いた結果の数字だという。

去年も今年も伸び率はほぼ変わらない。(42%と44%、その差はわずか)

そして、去年は海賊版サイトの悪影響下にあり、今年はその影響から脱したとされる。

であれば、今年の伸びはもっとあって然るべきでは?と考えるのが自然だと思う。

つまり、去年は海賊版サイトの影響は軽微だったし、当然そんなサイトが閉鎖した好影響なんてわずかしかないのだ。

単純に電子書籍がものすごい勢いで伸びている、という事実があるだけなのでは。

と私は考えている。異論反論はあるだろうが、実際そういう声は業界内のあちこちで聞くのだ。

とにかく、来年はもっと売上を伸ばし、さらに電子書籍割合ももっと高めるために、講談社には頑張ってもらいたい。