好調そうな「めちゃコミック」の売上推移(2018年)
- 2018.05.08
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インフォコムの決算発表(2018年4月27日)
めちゃコミックの月商は16〜17億
上記のグラフはインフォコムの決算資料より、電子書籍(コミック)に関する情報をグラフにしたものだ。めちゃコミックは年間で202億を売上げている。単純に考えるなら、202÷12で月商は16〜17億ということになる。名実ともに、No1電子書店という感じがする。ちなみに、これだけの結果ながら、本来の目標値は210億だった様子。「電子コミックは2Qから海賊版サイトの影響を受けたものの、独占先行配信等の施策により最高売上げを更新」とexcuseが入っているので、海賊版サイトの影響がなかったら210億を超えていたのかもしれない。しかし、本当に海賊版サイトの影響があれば、LINEマンガやメディアドゥのようにもっと、売上が凹むはずなので、実は売上への影響は軽微なのではと思った。(ということは、メディアドゥはやはり大袈裟に見積もってるよな・・・海賊版サイトの影響を)
独占先行配信という最強の武器
もう一つ気になるのは「独占先行配信」というキーワードだ。コンテンツビジネスではよくとられるビジネス手法である。(映像の分野だと、想起しやすいが、Huluだとコナン映画の独占配信とかNetflixでもオリジナル作品の独占配信をやっている)この戦略によって、めちゃコミックは大きくユーザー数を伸ばしているのかもしれない。ちなみに、独占とか先行する作品は並の作品ではいけない。皆が読みたがる人気作品でなければならず、話題や人気がある大型作品であればあるほど効果が大きいと言ってよいだろう。しかし、そんな作品は版権料が高くなり、採算が合わないはずだし、そもそも出版社や著者が許諾しないはずだ。ところが、軽くネット検索してみると、めちゃコミックは大型人気作品の独占先行に成功している。
独占先行をただしているだけではなく、”人気作”を独占先行するという戦略が功を奏しているのだ。
パピレスとの資本提携はどうなるのか
パピレスと言えばRenta!でおなじみだが、麻生久美子と神木隆之介の”姉弟CM”が話題となっており、相当ユーザー数もいて、売上もいい模様。そのパピレスとめちゃコミックが提携というニュースが4月に流れて話題になった。(最初エイプリルフールのネタかと思った)
インフォコム、電子書籍事業国内大手のパピレス株式96万9500株を取得 今後の協業の可能性は協議中
決算資料の中にも言及があり、投資実績として紹介されている。約22億ほど投資したようだ。
調子の良い、2つの書店が合併すれば、もはやAmazonKindleや楽天Koboも太刀打ちできないような規模の電子ストアになるだろう。ただ、どちらもコミックに特化しているので、それ以外の小説やビジネス書等へのアプローチは気になるところ。(めちゃコミックは当然コミックしか配信していないし、パピレスのRenta!もコミックのレンタルだけだ)何はともあれ、このままもっと成長して、電子書籍を世に広めていって欲しい。
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