メディアドゥ最大の買い物「NetGalley」

メディアドゥ最大の買い物「NetGalley」

NetGalleyを買収したメディアドゥの戦略

NetGalley

メディアドゥが欲しかったサービス?

メディアドゥは今まで色々な企業をM&Aしてきた。

  • 2016年11月 要約サービス「フライヤー
  • 2017年1月 マンガ書評サイト「マンガHONZ」を運営する「マンガ新聞
  • 2017年3月 電子取次大手の「出版デジタル機構
  • 2017年4月 WEBブラウザの「Lunascape

この中で最も影響があったのは、出版デジタル機構の子会社化だ。そして、出版デジタル機構のアセットの中で最も、価値があったものは何だろうか? 一番に思いつくのは既存の電子取次ビジネスとしての売上収益だろう。中小の出版社はほとんどが出版デジタル機構を通して、あらゆる電子ストアに本を出している。それが一挙に手に入るのだから、それを狙ったとみることもできる。しかし、数字に現れないもので価値あるものがある。

出版デジタル機構、紙書籍のWEB販促ツールNetGalley(ネットギャリー)日本版のサービスを開始

NetGalleyだ。NetGalleyは米国発の平たく言えば、書評サイトだ。従来型と大きく異なるのは、そのビジネスモデルだ。出版社が本のプロモーションのために、発売前にゲラ(Galley)をNetGalley上に公開し、書評家等から評価を得て、拡販に努める。NetGalleyは出版社から対価をもらい、儲ける。日本のNetGalleyでも同じビジネスモデルが採用されているかは不明だが、販売前のゲラを読めるのはこのサービスをおいて他にはないのでないだろうか。

そんな、NetGalleyが日本の提携先として模索していたのが、当初は出版デジタル機構だったのだ。

プロモーション支援ソリューションNetGalley(ネットギャリー)の紹介ページをオープンしました

その出版デジタル機構が買収されることになり、提携先は自動的にメディアドゥとなる。メディアドゥはアメリカの出版界で新刊を売るのに欠かせない装置を日本で展開することができるわけだ。

かなり安い買い物かもしれない?

その実力はまだ未知数だ。日本の商習慣には合わず、ブレイクしないかもしれない。だが、あのメディアドゥが買ったのだから、(そして、動き出した)きっと何かしらの勝算があるのだろう。

こちらがその件のサイトである。

NetGalley

デザインはかなり、シンプルである。日本にある既存の本のサービスなどと比べたら、かなり殺風景だ。作り込まずにリリースしたのか、これがそもそも狙いなのかはわからない。アメリカ版のデザインをそのまま踏襲しているので突貫で作ったというわけでもあるまい。(冒頭の画像は、アメリカ本国のhttps://netgalley.uservoice.com

こういうバッチも付与される

プロフェッショナルな読者

これは、

プロフェッショナルな読者

という最初に誰でも付与されるバッジだ。本の応援団であることの証らしい。書評を書けば、もっと色々なバッジが貰えるかもしれない。私も色々書いてみたいと思う。なんせ、ユーザーは無料で、出版前の本を読むことが叶うのだから、定着すれば結構良いサービスだろう。