近年下げ止まり傾向の講談社 売上推移(FY16まで)

近年下げ止まり傾向の講談社 売上推移(FY16まで)

講談社売上グラフ201710

講談社の売上を可視化。その推移に要注目

売上推移グラフを見ると、下降傾向

売上が下がり続けているのがわかる。電子の登場とその成長もあり、やっと近年下げ止まるか否かといった状況だ。講談社は大手出版社の中でも歴史もあり、最大級の会社規模だ。そんな出版社にも関わらず、この状態。ヒット作品も多数抱えるのにだ。もし、年間を通じでドル箱のヒット作がなかったらと思うと寒気がする。

講談社の売上の傾向

  • 14年間で売上30%減
  • 最新では電子売上は14%を占める

斜陽産業だから仕方ない一面はある。早く電子書籍の売上で、失った部分をカバーしないと、大企業の名が泣いてしまう。

講談社とはどんな出版社か

こちらがHPのURL。「おもしろくて、ためになる」というのが会社のスローガンらしい。

講談社の基礎情報

  • 決算時期:毎年11月
  • 本社所在地:〒112-8001 東京都文京区音羽二丁目12番21号
  • 『進撃の巨人』や『宇宙兄弟』等が有名

決算時期が11月末なので、世の中に公表されるのは大体2月くらいだ。ネット記事等でそれを確認し、私はこうして集計してみるのである。

FY16決算サマリー

  • 売上:1,172億(内、電子は161億と推定)
  • 営業利益:30億
  • 最終利益:27億

電子の売上が推定値なのは、はっきりと電子の売上を明示してくれないからだ。別にバレても支障なかろう。強いて言えば会計上、売上データが決算締切に間に合っておらず、”融通”をきかせた決算を作る都合上、電子単体の売上を宣言できないなどの事情があるのかもしれない。

減少傾向にようやく歯止め

売上の減少傾向にようやく歯止めが掛かったという印象。電子書籍の販売拡大が今後の業績を維持する鍵になるだろう。
ただ、売上の増加に関しては(V字回復)、昨今の出版不況から鑑みても厳しいものがある。

講談社が褒められるべき点

講談社は他の大手出版社に比べ、電子書籍への進出を積極的に行っている。その点は、褒められるべきだろう。
具体的に言えば、『進撃の巨人』などのメガヒットコンテンツも、紙と電子で同時発売を行っている。これをサイマル配信と呼ぶが、人気コンテンツを同時販売している出版社はまだまだ少ない。(集英社の『ONE PIECE』や『キングダム』は紙に遅れて、2~3ヶ月後に電子化されている)そういう姿勢をもっと鮮明に強く押し出せれば、ひょっとすると売上の復権も見込めるかもしれない。

講談社社長の電子書籍への考え

「電子書籍によって単純に紙書籍がなくなるとは考えない。電子書籍という読む手段が増えることで新しい読者が発掘され、紙書籍の需要にも刺激を与える」と考えている。上巻を約1か月間ネットで無料公開した五木寛之の『親鸞』は、公開後に書店での売り上げが上下巻とも25%以上伸びた。
2012年2月20日、6月から著作権者の承諾を得た全ての新刊書で紙書籍の刊行と合わせて電子書籍配信を行える態勢を講談社にて開始することを発表した。

出典:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E9%96%93%E7%9C%81%E4%BC%B8

現在の講談社社長の野間氏は上のように、電子書籍については考えているようなので、今後の「進撃」に期待したい。