止まらない凋落。小学館15年分の決算まとめ

出版社



小学館2017年度決算

講・集・小の三大出版社で一番やばい

  • 15年間で売上37%減
    • 2003年度売上:1,502億
    • 2017年度売上:945億
      • その差は557億(15年前の6割程度の状態になっている)

小学館だけがこんなに下がっているわけではないが、講談社や集英社は電子書籍にもしっかり対策を打っているので、その効果が出始め、下降線も折り返しが見えてきている。講談社は15年間で売上29%ダウン、集英社は14年間で売上15%ダウンだ。傷口を広げない努力が垣間見える。それに、まだその2社は売上が1,000億以上ある。一方で、小学館は2015年度から1,000億を割るようになった。それでも2016年度は2015年度より若干売上が伸び、973億だった。(2015年度は956億)

2017年はまた1,000億台に返り咲くのでは、という淡い期待もあったのだが、見事に裏切ってくれた。折角、回復していた売上は、2015年度よりも下がり945億になってしまった。下降トレンドは直っていなかったのだ。どれだけ小学館がやばいかわかっていただけるだろうか。

最終赤字であることは、まあ良い

赤字であることを強調するWEB上の記事がよくあるが、過去の損益(営業損益、経常損益、当期純損益)の推移を追えば、赤字になることが頻繁にあることがわかる。それは出版不況が囁かれる前からの体質だ。なんせ上場企業ではない、オーナー企業だから、利潤をそこまで求めていないのだろう。文化事業であることが第一義で、儲けに走らないということだ。

課題なのは、利益よりも売上だ。その規模が年々縮小していることに危機感をもっと持ったほうがいい。規模のない出版社では、いずれ人材や作家が離れ、優れた出版物を生み出せなくなるだろう。(小学館ブランドがなくなれば、他の出版社や出版の形で対応すればいいからだ)

名探偵コナンでもっと稼ごう

電子書籍の売上が思ったほど高くないのは、電子作品に力を入れていないからだ。講談社や集英社は、出版社負担でのキャンペーンをよくやっているし、電子書店と協同でのフェアもよくみかける。それに対し、小学館はあまり協力的ではないというのを業界内では耳にする。その姿勢を早く正し、電子書籍の売上比率をあげていかないと、置いてけぼりになるのは必至である。それとは別に調子の良い版権モノをもっともっと売り出していくべきだろう。今年の映画『名探偵コナン ゼロの執行人』は、メガヒットを飛ばしている。

コナンと言えば、小学館のものだ。小学館への版権収入はべらぼうな数字となるはずだ。版権収入の拡大と電子書籍販売の拡大の両輪で頑張ってほしいところだが、その辺のことは部署が縦割り化していて、なかなか連携が進まないのかもしれない。いっそのこと、講談社か集英社に吸収合併され、彼らのノウハウを活かして成長して欲しいものだ。

出版社がこれから生きる道が見えてきた

小学館の事例から、これからの出版不況を生き抜いていくための、出版社のサバイバル術がみえてくる。それは、

  • 電子書籍路線(紙以上に電子書籍販売に力を入れる)
  • 版権販売路線(IP財産を活かす)

この2つだろうと思う。小学館は電子書籍路線がまだまだ。来年の決算が今から楽しみだ。