斜陽感ハンパナイ。集英社15年分の決算まとめ。

出版社, 電子書籍



8月後半といえば、集英社の株主総会。そして、その情報の一部が新文化社のページにのる。(詳報でないのが至極残念)早速、今回の売上とこれまでの14年分の売上をグラフ化して眺めてみたい。

”減益”さほど問題ではない

記事を書いた人が経済に疎いのか、はたまた狙っているのか知らないが、減益の情報を伝えるのはいいとして、営業利益や経常利益にも言及してくれないと困る。特損が出て、最終利益が減ったのか、営業利益もそもそもやばいのか、など分析のしようがないからだ。

まあ、それは株主ではない我々には教える道理も何もないわけで、集英社からしたら知ったこっちゃないのだろう。

個人的に利益の具合が知りたいだけだが、出版社の多くは上場企業でなく、さらに文化創造活動に重きを置いているので、利益は度外視な一面がある。単に経営が下手なだけでは? というツッコミはさておいて、利益が出ていないことはよくある話で、わざと利益が出ていないように見せている節すらあるのだ。

だから、今回の決算の一端を見て思うことは「減収」であるという点をどう評価するかだ。

しっかりと紙⇒電子化への売上の交代ができているかが鍵なのだ。

しか~し!

例年、電子売上に関するヒントが書かれているはずなのに、今回はその情報が書かれていない。人事情報の詳報はいらないから、セグメント別の売上データを記事化してくれよ、新文化社よ。

しょうがないので、私の方で、推測値を入れておいた。

15年分のグラフはこちら

集英社

売上は1,164億だ。それを電子とそれ以外に分けたのが、上のグラフだ。大体総売上の20%程度と想定している。電子は233億でそれ以外が931億という具合になった。推定ではあるが、小学館や講談社の状況を鑑みて、このくらいになるのではと踏んだ。

集英社の売上推移の特徴として、講談社と小学館とあきらかに違うのは、たまに回復することがある点だ。下の一覧の青字のところが、前年比で盛り返した年だ。

  • 売上推移(15年分)
    • 2003年度 1,378億円
    • 2004年度 1,378億円
    • 2005年度 1,399億円
    • 2006年度 1,389億円
    • 2007年度 1,376億円
    • 2008年度 1,332億円
    • 2009年度 1,304億円
    • 2010年度 1,318億円
    • 2011年度 1,260億円
    • 2012年度 1,253億円
    • 2013年度 1,232億円
    • 2014年度 1,221億円
    • 2015年度 1,229億円
    • 2016年度 1,175億円
    • 2017年度 1,164億円

ただ、15年分でみると、16%分の200億ほど下落している。完全に下降傾向にある。斜陽感はハンパない。

集英社といえば、さくらももこ

先日、乳がんのため亡くなった、さくらももこの代表作『ちびまる子ちゃん』は集英社作品だし、超ベストセラーエッセイ『もものかんづめ』なども集英社作品だ。私は家にさくらももこの単行本版のエッセイがたくさんあるのだが、(実は大ファンでして・・・)今回の訃報を受けて、わざわざ集英社文庫版の「もものかんづめ」を買い直した。

そういう人は、思いの外、多いのではないだろうか?アマゾンでも急遽、ランキング上位にあがっている。

もものかんづめ

これは集英社の売上増加(もちろん来年度)につながることだ。奇しくも、さくらももこも没後フェアのことをエッセイで語っている。集英社はさくらももこのこの意思をよく考えて、過去作を大々的に売って、売上増加に邁進するのがいいかもしれない。願わくば、ほとんどが電子化されていない、さくらももこのエッセイを電子書籍化して欲しい、とファンとして強く希望する。(作者が死んでしまったので、その意向を知ることはもうできないものの、もし集英社の判断で電子化していないだけだったら、すぐにやって欲しい気がする。その方が、遺族への印税も増えるだろうし、電子で読める方が私には便利だ)