電子書籍をPCで読む・買うことの需要
私はあまりスマホで買い物しない
習慣の問題だろうか。私は何につけパソコンで用を済ませることが多い。スマホも持っているが、もしパソコンが横にあれば調べ物やメールやチャットなんかはパソコンを通して行う。Amazonとか楽天での買い物も、電子書籍の購入もPC派だ。
私と同じような習慣の人も大勢いるのだろうか、電子書籍ストアで勢いのある二社がPC対応を済ませたというニュースが年末にあった。
- まんが王国がPCで閲覧、購入可能に
https://www.beaglee.com/news/press/2017/12/2763/ - めちゃコミックもPCで閲覧、購入可能に
http://www.amutus.co.jp/info/info/2017/p17122501.html
まんが王国は年末年始に相当のメガプロモーションを打っていた。TVCMで見た人も多いのではないだろうか。(関ジャニ∞の横山裕が王様になっていたアレだ)
大勢の人が来ることを見越して、PC対応を済ませたという見方もできる。上場を果たし、いよいよ本腰を入れて、電子書籍業界のTOPを目指すのだろうか。めちゃコミックは、以前から大量のTVCMを投下しているので、ここに来てようやくPC対応かという気がするが、めちゃコミックの閲覧の仕様は、漫画のコマごとに表示され、視線が移るので、それの対応に苦慮していたのかもしれない。だから、やっとブラウザ対応を完了、PC環境からも購入できるようになったのかもしれない。(もともとガラケー向けのサービスだから移植には時間がかかるし、そもそも想定ユーザーとして、PC使いは含まれていなかったのかもしれない)
そもそも、パソコンで電子書籍の閲覧って需要あるのか
私個人としては、購入はPC派ではあるが、読むこと・見ることに関してはスマホ・専用端末(Kindle)派である。それでも上の二社の動きからして、PC閲覧派も一定数いるということだろう。そういうマーケティング結果でも存在しているに違いない。ところが、このPC潮流の流れに水を差すような、面白いニュースがある。上の2本と同じ時期だが、カドカワのBOOK☆WALKERに関するニュースだ。
- BOOK☆WALKERがデスクトップアプリ開発を辞め、ブラウザビューアのみに。
https://bookwalker.jp/info/pcviewer999/
これはつまり、BOOK☆WALKERにおいて、PC環境では電子書籍の閲覧に、専用アプリケーションを使うユーザーが少なかったということだろう。WEBブラウザで十分ということだ。必ずしも、PC閲覧派が下火ということを意味しているわけではないのだろうが、PC派に対して過度な開発は無用だと判断されたわけだ。また、こんなニュースも最近あった。
- リクルートの電子書籍ストアがサービス終了
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1100435.html
同ストアはスマホおよびタブレット専用で、PCからの利用は非対応とのことで、これまで「ポンパレeブックストア」をPCからのみ使っていた会員は、難民化するおそれがありそう
移行先の「スマートブックストア」なる、我らがメディアドゥ系電子書店ストアでは何とPCは非対応だという。
確かに、PCで見るとかなりショボい。
総合書店にしか、PC対応は不要
BOOK☆WALKERとリクルートの事例から言って、電子書籍のPC閲覧・PC購入がある程度成功するには、いわゆる「総合書店」でなければならないのだろう。総合というのはあらゆる書籍・コミックを扱い、全ての性年代向けに展開されている書店をさす。BOOK☆WALKERはラノベがメインでそのターゲット層が多そうで、ポンパレeブックストアに関してはそもそも規模感が小さかったと推察でき、そういう意味で総合書店になり得ていなかった。こう考えると、まんが王国もめちゃコミックも、特定のユーザー層にしか受け入れられていないため、TVCM効果でどれだけ”一般化”されるか、がPC派を増やす鍵になるだろう。
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