電子書籍業界2019年の総括。
久方ぶりの更新である。その間にちゃんと動きのある電子書籍業界、いやIT業界か。ちなみに毎年ライフワークのようにやっていた各社のPR数のカウントは面倒なので今年はやめておく。もし見たい人がいれば自分でたのむ・・・
閉店した電子書店
Yahoo!ブックストアが2019年の3月に閉店し、イーブックジャパンと同じになった。それからパブーが2019年9月に閉店予定だったが、その後誰かの手によって継続されている。忘れてならないマイクロソフトがEブックを終了したことだ。そんなサービスあったんだと初めて知る人も多かったろう。私もそんな1人である。
その他の統廃合
本当に忘れてならないのはLINEとヤフー・ジャパンの経営統合だ。要するにヤフーがLINEを買収みたいな話である。まだ電子書籍分野に関してはどういう展開になるのか不明ではあるが、簡単な話、漫画リソースは「LINEマンガ」へ、その他は「ebookjapan」へ、という流れになるのではないかと予想する。なぜなら、強みを活かした方がいいからだ。ただし、サービス名とかは統合されるかもしれない。そのへんは未知数。例えば、「LINEマンガJAPAN」とか。
そして、我らがメディアドゥの躍進
メディアドゥは株価もすごいことになっている。12月30日の終値で4,155円だ。このブログの読者なら覚えているだろう、私がいかにメディアドゥの株をススメていたかを。もし、1年前に買っていたら株価は2,000円程度だった。つまり、2倍になっているのだ。
もう一度言おう。メディアドゥはいけいけ企業だ。今は右肩上がりの株価なので手にするのに躊躇するかもしれないが、必ず下がる局面があるのでその際は買っておこう。
メディアドゥがなぜ強いかをおさらいしておこう。
本来、ヤフー系電子書店とLINEマンガの統合がなされると、取次をヤフー系が懇意にしているところに変えられると思う方もいるだろう。しかし、メディアドゥは出版デジタル機構と合併しているため、基本的にほとんどの電子書籍をメディアドゥを通して仕入れるしかないのだ、電子ストア各社は。
次にヤフー×LINEマンガが出版社と直に契約を結ぼうとする場合の懸念だ。これも全くないとは言い切れないが、商慣習から取次を挟むのが通常だし、それに見合う仕事をメディアドゥはすでにしている。今更出版社がメディアドゥを通さずに本を電子書店に卸すとは考えにくいのだ。さらに講談社などの最大手の出版社はメディアドゥを通してしか電子ストアに本を出していない。これがメディアドゥの上手い戦略なのだ。
まあ、以上の理由からメディアドゥの天下は令和2年も存続する。皆様良いお年を。
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