おすすめ電子書籍 新田次郎『アラスカ物語』

2018年4月16日書評



「生肉文学」というジャンルをご存知か

アラスカ物語を読んで、肉を喰らおう

何年か前に、レオナルド・ディカプリオがようやくアカデミー主演男優賞を受賞したとかで話題になった映画を覚えているだろうか。

詳しい説明は上記リンクを参照されたいのだが、端的に言えば主人公のレオナルド・ディカプリオが瀕死の重傷を負いながらも、復讐を果たす物語だ。復讐の旅の途中、空腹に苛まれた主人公は、ネイティブ・アメリカンの男が仕留めた野生の獣の肉を分けてもらう。生のまま、かぶりつく。グロテスクにも思えるシーンなのだが、私はそれを見て、無性にホルモンとか生肉を喰らいたくなった。言わずもがな、いっしょに見ていた友人を連れ立って、夕食は焼肉屋に直行したのだ。野生の水牛かバッファローだか知らないが、そんなものは置いていないので、和牛のユッケで我慢しつつ、ミノやホルモンに舌鼓を打ったのを今でも覚えている。

時として、映像作品や文学作品は強烈に食を誘う時があるのだ。昨今はグルメ作品が巷に溢れている。溢れすぎていると言っても過言ではなかろう。ひょっとしたら、肉や生肉を扱う作品や漫画もあるのかもしれないが、私は最近読んだ新田次郎の『アラスカ物語』を生肉文学の最高峰と銘打ちたいのだ。『レヴェナント』が映像作品界における生肉文学の代表作なら、文学小説界の代表は絶対に『アラスカ物語』だ。全て私個人の感想でしかないが、この本を読んだら、必ず生肉を食したくなるはずだ。しかも、クジラの生肉を。安々と料理屋で手に入るのか甚だ疑問だが、食えるものなら食ってみたいものだ。(鯨ベーコンとかクジラの竜田揚げとは違う。もちろん、刺し身ともちょっと違う)滴る血を吸いながら、生肉の塊にかじりつくのだ。そういう描写が、アラスカの原住民の生活を支える上で必須のものであったことが、この小説を読めばわかる。にしても、生き生きと美味そうに感じてしまうのは私の性なのだろうか。

内容的にも素晴らしく、読み応えのある良い小説なんだが、私はこの生肉の印象が大変強い。生肉とセットで売るとか、電子書籍版に生肉クーポンとか、焼肉屋のお食事優待券なんかを付けるともっと売れるようになるかもしれない。私からの真面目な提案である。

オススメの焼肉屋

電子書籍の紹介とは全く関係ないが、私のオススメの焼肉屋を紹介して筆を置きたい。

一昔前までは、生レバーがどの店でも供されていたのだが、法改正によりそれもできなくなってしまった。一部、鳥とかはまだ出している店もあるが、やはり牛の生レバーを食べたい。でも、それも無理だから、そういう時は焼肉で我慢しよう。美味しい店は全国にある。